Cherry Revelation物語のはじまりを、ひとつの名前から。保存リスト 0
Cherry Revelation
創作ガイド

世界観の名前に、共通のルールをつくる

地名と人名を同じ響きで埋めないための、小さな命名設計。

まず三つの役割に分ける

名前を考える前に、地図で探す名、会話で呼ぶ名、由来を読む名の三つを書き出します。地図の名は見分けやすさが必要で、会話の名は短く呼べることが大切です。由来を読む名には長い表現も使えます。一つの美しい名ですべてを賄おうとすると、会話や画面で扱いにくくなります。

共通させるのは一部分

たとえば架空の水路都市では、地区名だけに「瀬」を用い、住民の個人名には使わないと決めます。「灯瀬」「雨瀬」「綾瀬」のように統一感を出せますが、同じ場面に並ぶ地区は冒頭の音を変えます。共有する規則は一つに絞り、人物、店、道具まで同じ接尾辞で埋めないようにします。

例外に物語を持たせる

水路地区の中に「紙坂」という名が残っていれば、埋め立て前から続く道なのかもしれません。例外を誤りとして消す前に、いつ誰が名づけたかを考えます。規則から外れる名が一つあると、土地の時間が見えてきます。

作業用の一枚をつくる

分野、共通部分、長さの目安、呼ぶ人、例外の理由を表にしてください。新しい名前を採用するたびに追記すれば、後から似た響きが集中した場所を見直せます。この表は設定資料の装飾ではなく、制作途中の迷いを減らすための道具です。

実例:水路の町で使う、小さな命名台帳

架空の町を作る例として、地区を灯瀬、通りを紙坂、酒場を余白亭、配達人をナギとします。四つを同じ響きで揃えないのは、場所と人を一緒の台詞に置くためです。「ナギが紙坂を下って余白亭へ行く」と読んだ時に、どれが人物でどれが目的地かを迷いにくくなります。統一感は接尾辞ではなく、手紙、水路、待ち合わせという共通の生活から作ります。

規則が働く範囲を記録する

地区には水の語を使う、店は習慣から名づける、人の名は短く呼べる形にする、と範囲を決めます。すべての名へ同じ規則をかける必要はありません。後から山の集落を追加するなら、水の語を無理に当てるより、なぜ同じ文化圏なのかを仕事や交流で示す方法もあります。ルールを守るためだけに設定を不自然に変えないようにします。

名前が増えた時の点検

新しい名前を五つほど追加した段階で、先頭の一文字、文字数、実際の登場画面を並べます。近い語頭が集中していれば、一番変更しやすいものから見直します。すでに印象的な場面に結びついた名まで一度に直すと、台詞や地図の修正漏れが増えます。台帳には現在の表記だけでなく、変更前の名と変更した理由も一行残します。

手を動かす課題

人物二人、目的地三つ、道具一つの計六項目を作り、それらが出る五行の場面を書きます。由来の説明を入れずに場面が読めたら、次に一つだけ例外の名を加えます。例外の理由が、過去の出来事や他地域との関係として説明できるか確かめてください。完成後は、規則を知らない人へどれが人でどれが場所に見えたかを聞き、作者の意図との差を記録します。

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